日展2008

 11月14日に日展を見に行った。国立新美術館ではピカソ展もやっていたが、そこには入らず、日展の作品鑑賞と写真撮影に専念した。今年は昨年より多くの作品の写真を撮ろうと思って、美しく感じた絵や工芸、彫刻を片っ端からデジカメに収めた。昨年はフェルメール展と同時に開催されていたが、多分、今年のピカソ展も混んでいたのかもしれない。日展はそれほど混んでいることもなく、写真もゆっくりと撮れた。

 今年の入選作品でも、毎年出品し入選する方々が多いのか、傾向はよく似ている。洋画では相変わらず衣服やシーツなど質感が緻密に描かれている。一目見ただけで、去年のあの作品を描かれた画家の作品かとすぐに気が付くものも多い。それが、日本画の中でも見ることができる。上掲のスライドショーで羊の絵があるが、これは日本画である。日本画は一般的に緻密な描き方をしないが、直接触ってみたくなるほど、羊毛の質感を表現してしている。
 多いのは、ソファやベッドに横たわった女性、舞妓さん、克明に描かれた静物や風景などである。とくに目立ったのが絵の中に楽器類が描かれていることである。音楽ファンの私にとっては喜ばしいかぎりだ。結局、200枚以上の写真を撮影した。

 私は趣味として写真撮影やビデオ撮影をやっているのだが、風景を撮影するときでさえ、実物をカメラのファインダーを通してしか見ていないのではないかと不安を覚えることがある。直に自分の目で見るためにカメラは持って行かない方が良いのではないかと思うことさえある。今回感じたのはやはり、撮影しようと思って、真剣に探すことによって、作品の印象はより強く残るのだということだ。ただ漫然と見て廻ると作品の良さは後まで残っていない。
 普通は美術館での撮影は禁止されていることが多い。しかし、それは他の美術館から借りてきたものを集めた「・・・展」的なものであって、その美術館の常設作品はカメラ撮影が許可されているのが一般的である。ストロボを焚いたり、シャッター音の大きいカメラで撮影するのを避ければ、どんどん、撮影しても良いように思う。

 昨年から日展は国立新美術館で開かれているが、今年は洋画と日本画の展示区画が明確になって、わかりやすくなった。洋画と日本画の区別が作品そのものではわかりにくい現状では親切な配慮だと思う。東京都美術館で開催されていた頃は、照明も暗く、狭苦しく、しかも上下に展示されていた作品が多かったため、ゆっくりと見て、写真に撮るなどとは考えもしなかったが、昨年から、日展で写真を撮るという楽しみができた。