京都の桜を訪ねて               2013/04/18,19

鞍馬寺仁王門
鞍馬山の枝垂れ 枝垂れ桜をやっと見た
僧正が谷 鞍馬寺奥の院
貴船神社鳥居 水占斎庭御神水
貴船神社 新緑の仁和寺
仁和寺金堂 仁和寺金堂飾り瓦

 京都も桜のシーズンはすっかり終わっていた。まだ花を見れるとしたら山に登るしかない。比叡山や大原、三尾、それに鞍馬山あたりになる。地図を見ながら迷ったが結局、鞍馬に登ることにした。
 鞍馬から貴船へ
 鞍馬山に行くのに便利なのは、出町柳から出る叡山電車鞍馬線に乗るのが良さそうだ。
 初めてのコースで、様子がわからない。バスで出町柳に行くと京阪電車の駅前に着いた。そこから少し歩くと叡山電車の出町柳駅がある。賀茂川と高野川が合流して鴨川になるところだ。川向うに下鴨神社の糺の森が見える。川辺には八重桜の並木があり、花が満開になっていた。叡山電車は鞍馬や貴船と同じく、比叡山に行くのに使われる電車である。途中の八瀬で降りて、大原に行くこともできる。
 鞍馬には30分ほどで着いた。駅から仁王門まで歩いて、そこからケーブルカーを利用し、多宝塔に着く。ここでやっと満開の枝垂桜を見ることができた。さらに苔むした岩壁に沿って、しばらく参道を歩くと鞍馬寺の金堂に着いた。観光客も少なく静かなお寺で、新緑も綺麗だ。鞍馬寺と云えば牛若丸(沙那王と称していた)が有名だし、武芸を教えた天狗の伝説もある。この天狗のモデルは鬼一法眼(きいちほうげん)という僧侶と云われている。
 鞍馬寺からさらに奥に上ると、奥の院がある。結構な山道だが、ハイキングシューズを履いていたので、難なくたどり着いた。途中、沙那王が修業をしたと云われる僧正が谷がある。うっそうとした杉林の木の根が地表に露出して、蛇がとぐろを巻いているように見える。この山全体が岩山で、地表の土が浅いため、根が下にもぐれず、地表の上に根を伸ばしているのだそうだ。謡曲「鞍馬天狗」の舞台にふさわしい光景である。
 奥の院まで着くと、あと15分ほどで貴船に着くという道案内が建っていた。しばらく休んで、貴船方面に向かった。途中には椿の大木が何本もはえ、椿の花が根元の苔の上にころがっている。赤と緑の色が対照的で瑞々しい。急坂を下るのも気持ちが良い。パワースポットというのはこういうところなのかと思った。
 下には貴船川が流れていて、橋を渡ると貴船神社の参道になる。この辺にはいくつかの立派な店が並んでいる。貴船神社は水の神様で川の水も綺麗だ。鳥居が並んでいて、その下の石段を登ると、金箔で覆われた社殿がある。そばに手と口を浄める御手洗(みたらし)がある。おみくじをその水に浸すと運勢が出てくるという。秋に来たら素晴らしい紅葉を見物できそうである。
 帰りはバスで叡山電車貴船口まで行き、出町柳まで戻って、仁和寺に向かった。
 仁和寺
 このお寺は門跡寺院のためなのか、京都のお寺の中でも坊主くさくない明るい寺である。別名「御室御所」とも呼ばれる。
 私が見たかったのはこのお寺独特の背の小さい「御室桜」である。例年、四月の中旬以降に咲くのだが、今年は他の桜と同じく早かったらしく、みんな散ってしまっていた。私と同様、この桜を見たかったのか観光客で賑わっている。何度も来ている寺で特別見たいものもなく、さっさと宿に戻った。
 大徳寺
 もう何年もの間、大徳寺や知恩院、二条城といった、いわゆる修学旅行コースには行っていない。大徳寺は狩野探幽作、雲竜図のある法堂や方丈庭園などがある本坊伽藍が有名で、昔は修学旅行や定期観光バスの見学コースとなっていた。それがいつの頃にそうなったのか、今は本坊敷地に入ることもできない。
 大徳寺は臨済宗大徳寺派の本山であり、一休和尚や沢庵禅師などの名僧や千利休、小堀遠州といった茶人にもゆかりの深い大寺院である。別院2、塔頭22を有しており、妙心寺や東福寺にも比すべき禅寺である。本坊を見ることはできなかったが、塔頭の一部が公開されていて、枯山水の庭も鑑賞できた。大仙院の石庭など、今や塔頭を廻る方が見学コースの中心になっている。今回は大仙院、芳春院、興臨院、瑞峯院、黄梅院を廻った。著名なのは、前のブログにも紹介した大仙院の枯山水である。竜安寺の庭園ほどポピュラーではないが、いくつかの狭い石庭の中に配置された石がそれぞれある意味での主張を持っているのが興味深い。蓬莱山から流れる水が滝となり、橋をくぐり、大海となっていく姿が回廊の下をくぐって、一つの光景を表しているのが全体を見渡す竜安寺の石庭とは大きく異なる。
 残念ながら院内は撮影禁止になっていた。そのかわりに、修学旅行の学生たちと一緒にお坊さんの説明を聞いて廻った。
 他の塔頭もそれぞれ特徴のある庭園を抱えているし、写真撮影もできた。時間がたっぷりあったのでゆっくりと見て廻ることができた。

瑞峯院石庭 興臨院の火灯窓
大仙院 大仙院石庭

奈良の旅、蕎麦処「雄町」との再会    2013/04/16,17    

吉野山上千本桜
吉野の八重桜 花矢倉の山桜
緑の桜 御衣黄 黄色い椿
万葉植物園の藤 馬酔木(あせび)
毎年2回、春と秋に京都、奈良に行くことにしているが、今年の春は去年より一週間程度遅く行くように予約していた。吉野の桜と仁和寺の御室桜の満開を見たかったからである。
今回はもう一つの目的があった。昨年秋に閉まっていたお蕎麦屋さん「雄町」の女将さんや旦那さんに会うことだった。
蕎麦処「雄町」の女将さんとの再会
奈良には4時頃に着いた。ホテルにチェックインして、部屋に入り、一昨年の秋に「雄町」でお会いしたお客さん、Oさんに電話をした。Oさんとは、今年の冬にメールや電話をやりとりして、私がこの春に奈良を訪ねたときに、「雄町」の女将さんと三人で飲もうと約束をしていたのだ。
電話で5時半にホテルの前で会うことになった。一度だけの面識で顔もあまり定かではない。外でOさんらしい方が見えたので、声をかけて確認した。しばらくして女将さんもホテルに来てくれた。旦那さんとお嬢ちゃんも一緒だ。
駅から興福寺の方向に向かう三条通を、話しながら歩いて、Oさんのお店に立ち寄った。「カメラとビデオのミドー」というお店である。大きな看板が屋上にかかっていた。
「雄町」の旦那さんはお酒を一滴も飲めないらしく、途中で別れ、Oさんの馴染みのお店に入った。他にはお客さんはいなかった。
女将さんは、今は、子供相手のケアセンターにお勤めしているらしい。旦那さんは大阪のお父さんの寿司店を手伝っているそうだ。梅田の阪急百貨店の13階にある「福喜鮨」の責任者のようである。
蕎麦処「雄町」を急に閉店したのは、決してお店が流行っていなかったのではなく、家庭の事情があったようだ。
三人で話しているうちに、女将さんがOさんに「なんで、私をお酒に誘ってくれなかったの?他のお客さんは誘ってくれはったのに」と責めているのが印象深かった。まるで父親と娘のようでうらやましかった。
着物姿の女将さんも良いが、まだ20代の洋服姿の娘さんスタイルも美しい。
吉野山
奈良の二日目は吉野山に登った。昨年は日帰りバスツアーを利用したために、下千本から中千本あたりまでしか行けなかったが、今年は電車とバスで中千本まで登り、そこから上に歩くことにした。
今年の桜は咲くのが異常に早く、三月には咲き始め、四月上旬に満開になった。去年は四月の第二週でも下千本が満開になっていなかったので、今年は一週間遅くしたのだが、今度は散った後になってしまった。 それでも、八重桜が咲いていて、慰めにはなった。昨年と同じく、人の多さには辟易とした。謡曲「忠信」で有名な佐藤忠信が僧兵横川覚範を討ち取ったとされる花矢倉展望台を過ぎて、その首塚のそばを下り、中千本からバスで、吉野駅まで下りた。
万葉植物園
翌日、とくに予定もなく、春日大社の「万葉植物園」に入ってみた。ここは藤で有名なところである。残念ながら、藤の花はまだまだの状態である。そのかわり、数多くの品種の椿の花が咲き誇っていた。
この公園の名にふさわしく、多くの万葉植物が栽培されていて、いくつかの品種が小さな花を咲かせていた。