


私の所属している地域スポーツクラブでは、毎年ハイキングを行っている。今年は昨年までとは異なり、本格的な登山になった。谷川岳に登ると云うのである。谷川岳と言えば、「魔の山」、遭難の名所として恐れられている。しかし、そんな谷川岳もロープウェイを利用して、天神平から尾根道をたどる往復コースなら、安全に登ることが出来る。とはいえ、登山レベルでは中級コースでこれまでのようなハイキングレベルではない。あまり山に登ったことのないお年寄りが安易にチャレンジするような山ではない。また、天候の変わりやすい山で、途中で引き返す勇気も必要である。
20年くらい前に、私がリーダーとして谷川岳登山を計画したことがある。天神平から、天神峠までリフトで登ると、天神尾根の稜線と谷川岳を見渡すことができる。そのときは残念ながら頂上付近は雲がかかっていて、剥き出しの岩が滑りそうである。景色としては天神峠からの紅葉もすばらしく、そこで満足して登頂はあきらめ、谷川温泉へ下ることにした。
先月行った北八ヶ岳の経験を生かして、今回は雨具も20年前に買ったゴアテックスのしっかりしたものを持っていくことにした。これまで使ったいたザックでは雨具と一眼レフカメラバッグの両方は入らない。大きいザックを探してみたが見つからず、新しく購入することにした。スポーツ用具店で探してみたがカメラザックが入るようなものがなかなか見つからない。ようやく見つけたのがコロンビアの30リッターのザックである。これだと、腰でしっかり支えられ、ショルダーベルトが肩に食い込むことも少なく、重い荷物でもそれほど負担にならない。他にウエアやステッキ、ミドルカットのトレッキングシューズなども揃えた。ただ、カメラは体力的に負担になるので、コンデジを持っていくことにした。
当日は、朝5時に集合である。3時半に起きた。前の晩も良く眠れず、起きるのが辛い。
バスで関越道を通り、土合口のロープウェイ乗り場に着いたのが9時前である。天神平に着くと、すばらしい天気である。これなら頂上までたどり着けそうだ。熊穴沢避難小屋まではゆるやかな山道でところどころ木道も整備されている。距離的には丁度中ほどになるが、小屋を過ぎると岩が露出した尾根道に変わってきた。しかも急登となってだんだんときつくなった。汗びっしょりになったのでシャツの上に着ていたベストも脱いで登る。しばらくすると樹木が少なくなり、「天狗の溜まり場」という大きな岩が露出している。そこで、しばらく休んでいると、仲間たちが追いついてきた。一緒に来たOさんがいないという。先に行ったのか、遅れてしまったのかもわからない。携帯は通じない。そこで、先に行ってれば追いつくだろうと、早足の三人がさらに、先を急いだ。岩も多いが、階段状に整備された木道が増えてきた。段差が大きく、階段を登るのがきつい。結局、Oさんを見つけることが出来ず、肩の小屋に着いた。ここで、一休みして昼食にし、皆を待った。持参していたスルメや小さな和菓子は好評ですぐになくなった。Oさんはなんと、先に「トマの耳」まで登って、降りて来るところであった。
しばらく休んで、すぐそこに見える谷川岳の頂上と言われる「トマの耳」まで登った。ここが谷川岳山頂ということになっているが、その奥に見える「オキの耳」はさらに高くここが本当の山頂である。「トマの耳」で少し休んで、「オキの耳」まで登った。「オキの耳」のすぐ下に、遭難で有名な絶壁「一の倉沢」を見下ろすことが出来る。皆で記念写真を撮って、下ったが、上るときに太ももを痙攣させた人も数人はいたようだ。
今日は天気が良かったためか、登山客が多い。登るときに心配だった急坂もステッキを使って難なく降りることができた。辛かったのは眠いことだけだった。
紅葉には早かったが、景色も良く、気持ちの良い一日であった。これまでのハイキングとは一味も二味も違う満足感を得ることもできた。しかし、一方、帰りのバスの中で来年はもっと楽なコースにしたいという意見もあり、やはりずいぶん懲りた人もいたようだ。
毎月登っていた山も今年はこれで多分終わりかなと思う。10月半ばに八海山ハイキングを予約していたが、これをキャンセルして、11月末の紅葉シーズンは京都・奈良を旅することにした。秋に行くのは初めてで、ホテルをリザーブするのに大変な時期だが、すでに予約済みである。一人旅をエンジョイしたい。
