黒革の手帳

 珍しく、松本清張原作の小説をテレビで見た。最近は清張の小説がたびたび放映されている。今年は清張没後25周年だからかもしれない。
松本清張といえば、私が中学生の頃から、「点と線」「眼の壁」「ゼロの焦点」など多くの推理小説を読んでいた。テレビが無い頃で、貸本屋から借りて読んだ。ほとんどが光文社のカッパノベルスだった。
その頃は、長編推理小説が好きで、短編小説はあまり好きではなかった。読んで後味の悪い小説では「霧の旗」がある。これに似た小説が今回テレビで見た「黒革の手帳」である。何度もテレビ化されているが、今回は武井咲が主人公、原口元子を演じている。2004年の米倉涼子主演版と、ストーリーはほぼ同じである。
原作とは時代がかなり違っているのでストーリーの展開も異なる。原作の原口元子は34歳程度だが、武井咲は23歳、銀座で最も若いママと言われている。武井咲はすごい美人で、私が好きな女優の一人であるが、原作の主人公はどちらかといえばブス。床を同じくする安島が原作では敵で、テレビでは味方。第8話まであるが、最後はあっさりと二人とも検察に拘束されて、幕切れになる。この展開では、多分、米倉涼子バージョンと同じく、続編があると期待している。
原作は清張らしく、緻密な情景描写やストーリー展開だが、推理小説ではない。ピカレスク小説(悪漢小説)という分野で、小悪漢が大悪漢に立ち向かっていくのが大筋になっている。やくざ映画みたいなものだ。シリーズ物の一話である。テレビは武井咲の美しさやファッションを売り物にしていると思う。また、「清張史上最強の悪女」としているが、原作では、小悪魔が巨悪のグループの罠に引っ罹り、自滅していくというのに近い。もし、その通りであれば、武井咲ファンの私に言わせると可愛そうとしか思えない。
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