
昨晩、W君と一緒に町屋の小さな割烹に行った。いつもは船橋で、スパニッシュやタイ料理を食べてワインを飲むのだが、W君の「たまには佐賀の酒を飲もうよ」ということで彼がネットで探してくれたのが、町屋と渋谷の店で、どちらも駅から遠そう。町屋だったら、駅までは千代田線で比較的近い。ネットで調べたら駅から10分と書いてあったが、速足で10分程度。いつもウォーキングをしているのでこの位の距離はとくに問題はない。路地裏に入って少し行くと店の明かりが見えた。店の名前は割烹「きくすい」という。外見もこじんまりとしていて綺麗だが、中に入ったらすごく立派な店で靴を脱いで一段上の床に上がろうとしたら、そのままでどうぞと言う。若くてよか男の旦那と別嬪の奥さんが迎えてくれた。ずいぶん歩いたと言ったら、「どちらからいらっしゃったんですか」と聞くので「佐賀から」と冗談を言って「なかなかよか店ね、佐賀ん人のよう来んさんね?」と佐賀弁を使ったら、あちらも佐賀弁で応えてくれた。
酒は「窓の梅」がメインのようだが、他にも「天山」や「東一」などの佐賀の酒や焼酎も飲めるという。昨晩は「窓の梅」の本醸造をぬる燗で飲んだ。家の近所の料理屋でよく飲む辛口の日本酒より喉越しがすっきりとして旨いし、丁度良いぬる燗だ。料理も刺身が新鮮だし、がん漬けも出してくれた。我々二人とも酒は強いので、源右衛門のさかずきでずいぶん飲んだ。料理の器も源右衛門を中心に有田焼で揃えている。
佐賀では「三右衛門」と呼ばれる陶磁器のブランドがあるが、通常は酒井田柿右衛門、今泉今右衛門、それと唐津焼の中里太郎右衛門を「三右衛門」と称している。但し、唐津焼は有田焼とは異なり陶器であるため、磁器のブランドとして太郎右衛門の代わりに館林源右衛門を「三右衛門」とすることも多い。
この店のご主人は佐賀県武雄市の出身で、武雄温泉の話も出た。やはり佐賀県では嬉野温泉が有名だが最近は武雄温泉も賑やかさを取り戻しているという。佐賀北高校のエース、久保君は武雄から通っているそうだ。佐賀北高校を母校としているW君と私が一緒になると当然のことながらあの優勝を勝ち取ったときの感動を分かち合うことになる。ご主人、奥さんともに気さくで穏やかな人たちで佐賀や佐賀北高の話で盛り上がった。それと、もう一つは「佐賀のがばいばあちゃん」の話である。私はこの本に登場する小学校と中学校を卒業している。この小説の主人公は中学校を卒業して野球推薦で広島の広陵高校に進学している。
ご主人や奥さんと佐賀弁を混ぜながらの会話も心地良い。店が綺麗で酒も料理も旨い。駅からいささか遠いのが難点ではあるが、何度でも行きたい店である。
