NHK音楽祭に行った

パンフレット プログラム

今年のNHK音楽祭は「華麗なるオペラ・バレエ音楽の世界」と題して、オペラやバレエ音楽を特集している。昨年はモーツァルト生誕250年を記念して、モーツァルト・イヤーと言われただけに、NHK音楽祭も「体感!モーツァルト」だった。モーツァルトを得意とするロジャー・ノリントン、ニコラウス・アーノンクールといった、古楽奏法の指揮者が来日し、クラシック音楽界の話題となった。

私は、昨年は、ノリントン指揮のNHK交響楽団による、モーツァルトをいわゆるノン・ヴィブラート奏法で聴いて、N響のすごさを体感した。

今年はどれにしようかと迷ったが、オペラやバレエ音楽を得意とするオーケストラとして、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団とワレリー・ゲルギエフ率いるマリインスキー劇場管弦楽団が来日、演奏する。
プログラムの内容、指揮者とオーケストラの組み合わせで、やはりゲルギエフのほうが魅力がある。
ずいぶん前に予約して、チケットを購入したので、SS席が取れた。実際にNHKホールは満席になっていた。

プログラムの内容はすべてバレエ音楽で、順にチャイコフスキー「白鳥の湖」、プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」、最後にストラヴィンスキー「春の祭典」である。すべてロシアの作曲者だ。

印象からすると、最高にすばらしかったのは「ロメオとジュリエット」だった。ゲルギエフが最も得意とする作曲家のプロコフィエフであり、根拠地のサンクトペテルブルグではバレエのための演奏も日常的に行っているのであろう。
この曲は第3番まである組曲として演奏されることも多いが、1番、2番の中から7曲が演奏された。この演奏はさすがと思わせる、なんともすばらしい演奏であった。ゲルギエフとオーケストラの熱の入れ方が直接伝わってきたと云っても良い。

ゲルギエフは見かけによらず、とても繊細な演奏をする。「白鳥の湖」ではその繊細さがよく表われていた。しばしば聴く音楽ではあるが、やはり、生演奏の良さを堪能できた。

オーケストラは「春の祭典」で100名を超える大編成になった。残念なのは「春の祭典」の響が良くない。マリインスキー劇場のオーケストラがNHKホールに慣れていないのだと思う。オーケストラのメンバーは懸命に演奏するが、会場がまるで駄目なのだ。 
「春の祭典」は演奏用バレエ音楽としては最高傑作に属すると思うが、不協和音が多いという音楽の特性が演奏会場を選んでしまう。
今回はSS席の真ん中よりほぼ右よりだったが、全く音が響かない。去年は良い席が取れず、2階の後ろの壁の近くだったが、音の響はそちらの方が良かった。
NHKホールは、この前のサントリーホールに比べると、全く駄目なホールだと思う。歌謡曲とか漫才なんかのようにスピーカーを通すのとは全く違う生演奏をNHKホールの良い席で聴くものではない。SS席は聴くためではなく、ステージの上を観るための席なのだ。あのホールに海外のオーケストラを招くのは日本の恥である。去年聴いたノリントンのモーツァルトはN響だったから良かったと思う。彼らはあのホールに慣れていてそれなりの音を出すように頑張っているのだと思った。

この記事をブログにアップするのが遅れたのは、NHKでの放送を聴いてから、それとの比較も入れて書こうと思ったからである。NHKの本業は放送することであり、放送では最高の音質になっているかもしれないという期待があった。放送は5.1チャネルで聴いたが、NHKホールの悪さがそれほど目立たないだけだった。