朝4時45分に起床。6:39の電車に乗った。我孫子始発の車両に乗るために人が並んでいた。こんなに早いのかと驚いた。私がサラリーマン時代は、家を出るのが7時20分頃で40分の電車に乗れば会社に間に合った。今は節電のため始業時間が早まっているらしい。
松戸駅前に7:15に集合になっていたが、十分に余裕があった。尾瀬の入り口、鳩待峠に着くのが11時頃である。約4時間のバス旅行になる。お隣りの席もお一人さんで、仲間がみんなキャンセルしてしまい、一人になったとおっしゃっていた。他はほとんど夫婦や団体客である。お隣りのKさんは、気さくな方で、話も合いそうだった。昨年の秋に尾瀬に行ったときは、お隣さんが無口な人で、私はずっと小説を読んでいた。今回も小説は持参したが、結局、開くことも無かった。
鳩待峠に着いたのは11時を少し回っていた。ここから、尾瀬ヶ原の入り口でロッジや案内所、休憩場所もある山ノ鼻まで、どんどん下る。帰りが心配になるほどの下りばかりだが、昨年来ているので、心配せずに下りましょうとKさんと一緒に山ノ鼻まで行き着いた。鳩待峠から山ノ鼻まで、道は整備されていて、ほとんどが木道になっているが、往復の木道は結構混んでいて、前の団体を追い越すのが大変だった。山ノ鼻の休憩所はベンチも満席に近いくらい混んでいたが、昼食をとるのに困るほどではない。昼食を済ませて、尾瀬ヶ原に入っていった。
去年の秋と違って、木道の脇は枯れ草になっていて、みんな横に倒れている。秋の草紅葉が枯れて、その上に雪が積もり、枯れ草が寝た状態になったのだとわかった。それに、昨年は池になっていた所が水たまりになっている。池塘がみんなこうなるのかと心配したが、それは違っていた。尾瀬ヶ原の中に入って行くと、池塘が現われてきた。秋と同じだ、違うのは紅葉ではなく、枯れ草が寝ている光景だけだった。もちろん奥に見える山の光景も紅葉ではなく、新緑である。ダケカンバの林は新芽が出ようとしていて、枯れたように見える。新緑と枯れた木の対称が綺麗である。Kさんが「東山魁夷の世界ですね」とおっしゃる。なるほど、新緑の淡い緑とダケカンバの林の色がそんなイメージを抱かせてくれる。さらに、池塘にその風景が写りこむと、東山魁夷の絵になる。この光景を青みがかったようにすれば、全くの東山魁夷になってしまう。すぐそばに見える至仏山はまだ半分は雪で覆われていて、うまく緑とマッチして美しい。木道の行く先に見える燧ヶ岳も雪が少し残っている。尾瀬は半年が雪に覆われた世界で、半年で一年になってしまうため、植物の春夏秋冬も慌ただしく変化する。今はミズバショウの世界だが、来月になるとニッコウキスゲになる。今は枯れ草の中にニッコウキスゲの葉がやっと見え始める時期でもある。8月中旬の何も無い時期が来て、9月になると紅葉が始まる。
この時期、初夏の尾瀬が最も人気のある季節である。代表的な花、ミズバショウの花が咲き誇り、他の花も一斉に咲き始めるからである。尾瀬ヶ原の中の木道はさほど混んではいなかった。平日だからだと思う。休日はきっと前がつかえて、写真を撮ることさえできないのかもしれない。山ノ鼻にたどりつく前からミズバショウの群生が見られたが、尾瀬ヶ原にはたくさんの池塘があり、浮島の光景、水に映る新緑とダケカンバの山々、池塘の周りのミズバショウの群生と写真の題材に事欠かない。夏にはヒツジグサが浮き、トンボが飛ぶのだが、そこまで求めるのは贅沢だ。木道をたどって、牛首分岐まで来ると多くのハイカーが休憩している。そこで、Kさんと一緒に記念写真を撮ってもらい、山ノ鼻に戻った。バスの中でガイドさんが、時間的に無理と云っていた植物見本園も見る予定である。3時に山ノ鼻を出れば、集合時間の16:20には充分間に合う。山ノ鼻に着いてまだ余裕があったので、植物見本園を廻ることとして、至仏山の方向の道へ入った。尾瀬ヶ原のような広大な景色ではないが、ミズバショウの群生が見事だ。しばらく歩くと、黄色い花、リュウキンカの群生を見ることができた。Kさんも、私もこれで充分に満足な気分になっていた。3時に山ノ鼻を経ち、上りばかりの道を汗をかきながら登り、鳩待峠に4時頃に着いた。
























