ホテルで朝食を済ませて、デイバッグを背負い、JRで桜井まで行った。今日は長谷寺と室生寺、談山神社と廻る予定である。昨日まで多武峰(とうのみね)までしか行かなかったバスが、今日から談山神社まで行くようになり、バスの本数が多くなっている。バスがすぐ出るので、まず談山神社の紅葉を観ることにした。長谷寺と談山神社は昨年4月に桜を観るために訪れている。ブログには書いていないが、桜も綺麗である。
この神社は大化の改新で中大兄皇子と中臣鎌足が、当時の権力者で天皇家を脅かすほどになった、蘇我入鹿を討ち取るために談合した場所として知られている。神社の名の由来はこの談合した場所(山)という意味から来ている。祭神はこの中臣鎌足、すなわち藤原氏の祖、藤原鎌足である。拝殿の中には、「多武峯縁起絵巻」の写本があり、日本史の教科書にも載っている大化の改新の絵で、板蓋宮(いたぶきのみや)での入鹿の首が刎ねられているシーンを見ることができる。
有名な十三重の塔も紅葉の中に凛として建ち、朱色が映えていた。今晩、また寄ろうと思っていた「雄町」へのお土産に地元産の奈良漬けを買ったが、この重さでデイバックが肩に食込んだ。
バスで桜井駅に戻る途中、いつも気になるのが聖林寺である。ここにはフェノロサや和辻哲朗が絶賛している国宝、十一面観音立像がある。次に奈良に来たときに立ち寄りたい場所である。
桜井駅から近鉄で長谷寺駅まで行って、約20分ほどで長谷寺へ着く。この歩く距離が結構長く感じる。桜や紅葉も良いが、最も賑わうのが、ボタンの時期、4月末から5月初めの頃である。他の時期でも、いろんな花が咲き、「花のお寺」として有名である。昔、大阪に赴任していたとき、石楠花を見るために、榛原の駅から山越えで室生寺に行ったが、そのあと満員のバスに乗って長谷寺へ行った。ボタンの花に沿っている登廊は身動きできないほどの混雑ぶりであった。
去年の春の桜も良かったが、紅葉も綺麗だ。冬牡丹も咲き始めていた。特別拝観でお守りと五色線を頂き、10mを超える十一面観世音菩薩立像の御御足を撫でさせてもらった。長谷寺の五重の塔も桜の季節とはまた違う鮮やかさである。
長谷寺から室生寺に行く予定であったが、直通バスは土日しか運行していない。一旦駅に戻って、次の榛原で電車を乗り継ぎ、さらにバスで行かねばならない。晩秋の日は短い。あきらめて、奈良駅まで戻った。
ホテルで少し休んで、「雄町」で夕食を頂いた。昨日のお客さんはいらっしゃらなかったので、女将さんと会話をしながら、雄町酒の利き酒セットを飲み、一時の安らぎを味わった。女将さんは春に会ったときよりウンと美人で若い。本当にゆっくりとくつろげる場所である。最後は「卵かけ御飯」でお腹を満たした。一人旅の良さを満喫した一日であった。






